傾聴が適切でないと、話した方は癒やされるどころか、反感を買ってしまうこともあります。
この記事では、どんな聴き方だと反感を買いやすいのか?私が過去にトレーニングしていたとき、うまく聴けずに反感を買ったエピソードを交えながら紹介します。
気持ちを汲んだ「フリ」が伝わってしまう時
傾聴スキルが機能しないとき、反感を買いやすいものとそうでないものがあります。
反感を買いやすい順に並べると・・・
1、共感の言葉(感情・気持ちを汲み取って伝える言葉)
2、質問技法
です。
傾聴を実践されたことがある方は、オウム返しのほうが反感を買いやすいと思われるかもしれません。しかしオウム返しがうまく出来なくても、「何か不自然だな」と思われるくらい。反感までは買いません。
では、具体的にどんな風に反感を買うことがあるのかを紹介します。
私自身がグループカウンセリングに参加したとき、担当カウンセラーが使うオウム返しや傾聴技法を見て、その効果を目の当たりにしていました。ですのでオウム返しに効果があるの?といった疑問を持つ必要がなく、そのスキルを身に付けようと日常で取り組んでいました。
会話する機会が多いのは、当然身近な人です。
当時恋人がいた私は、その彼女との会話でよく傾聴を実践していました。特に使う機会が多かったスキルは、「共感の言葉」(相手の気持ちを汲み取って伝える言葉)です。
彼女が言った内容に対して、
「さみしいよね」
「苦しくなるよね」
といった気持ちを汲み取る言葉を3つほど使った後、その恋人が言ったコトバ・・
もう(その言い方は)エエわ!
でした。
共感のことばが反感を買いやすい理由
当時反感を買った理由はただ1つです。それは、私が相手のことを考えて共感の言葉を使ったのではなく、自分自身のトレーニングのためという意識だけでやっていたからです。
特に気持ちを汲む言葉は、相手を思いやらずに使うと、神経を逆撫でられます。
全然気持ちをわかっていない声のトーンで、
「それはさみしいよねー」
「苦しいよねー」
と言っても逆効果になるだけ。その言葉で
「いかに気持ちをわかっていないか」
が逆に伝わってしまいます。
スキルの核にあるもの
- 「相手をもっとよく理解したい」
- 「相手ともっと良い関係を築きたい」
という聴き手の核となる思いが形になったものが、オウム返しや共感の言葉と言われている傾聴スキルです。
これを核の部分を抜いて、形だけ、スキルだけ取り出して使おうとしても機能しません。機能しないどころか、共感の言葉に至っては逆効果です。
まとめ
傾聴はスキルですので、やればやるほど、使えば使うほど身に付きますし、体に馴染んできます。
トレーニングする時には、自分の課題・プラスしていくポイントを意識しながら、そしてなぜそれを使うのかも意識しながら実行していくと反感を買うようなことにはなりません。
傾聴は本来、「相手のための会話の時間」でもあります。トレーニングするときも、是非それを意識してやっていってみて下さい!
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