人の話を余裕を持って落ち着いて聴けるときもあれば、なかなかそれが出来ない、今日はなぜか落ち着いて話を聴けないというときもあります。
今回の記事では、その2つの理由と対処法を紹介します。
聴き手が疲れていたりストレスが強い
落ち着いて聞けない理由の1つ目は、聴き手が疲れていたり、ストレスが強いときです。
そんなときは特に愚痴を誰かから言われると、「休ませてくれよ!!」という思いが湧いてきて当然です。人のことどころではなく、まず自分自身の心のケアが必要なときです。
特に失恋直後は喪失感やストレスも強いです。実際に私の後輩女性カウンセラーが、自分の失恋直後に体験したことを紹介します。
後輩カウンセラーが恋人から別れを告げられ、同じように失恋している境遇のクライアントの方にお会いしていました。恋人から別れを告げられたそのクライアントの方のお話を聴いているときに、後輩女性カウンセラーが思ったこと。
「自分の今の境遇が原因だとは思うのですが、こんな思いは今まで出てこなかったので驚きです。」
本当に正直な思いだと思います。
自分自身(聴き手自身)がつらいとき、ストレスが強いとき、苦しいときには、相手のことどころではないので、傾聴できない、相手の話しを受け止めて聴きにくいときもあります。では、そんなときにはどうすればいいのか?を紹介します。
ストレスが強くて話を聞けないときの対処法
ストレスが強くて話しを落ち着いて聴けないときは、もちろんまず自分自身のストレスケアをすることも大切です。
ただ自分自身のストレスが強くて話を聴けないときも、傾聴のスキルが聴き手を助けてくれます。どういうことかというと、
「自分の感情」と「相手の感情」をきっちりと分けて聴く
ということです。
たとえ聴いている自分が苦しくても、話を聴いていて妬む思いや、ざまぁみろという思いが湧いてきても、そんな自分の思いは一旦置いておいて、
「大変でしたよね。」
「苦しかったですよね。」
と相手の思いを受け止めて、相手の気持ちを汲み、傾聴できるスキルが傾聴技法です。
大事なのは、話を聴いていて聴き手にどんな気持ちが湧いてきたのか?ということよりも、話している方がその聴き方でどう思われるか?ということ。
聴き手自身に色んな思いが湧いてきても、「それは自分の思い」と整理し、自分のことと相手のことを分けて傾聴していくことは可能です。
スキルをしっかりと身につけておくと、自分が苦しいときにはそのスキルが相手も自分も守ってくれます。
嫌われたくない!という思いが強いとき
そしてもう1つの落ち着いて傾聴できない理由は、話を聞きながら
「嫌われたくない!」という自分自身のことに意識が強く向いているとき。
嫌われたくないと思っていて人の話がゆっくり聴けないときには、
- 「自分が相手からどう思われているだろうか?」
- 「こんなことを言ったら、こんなことを質問したら嫌われないだろうか?」
と相手からの評価が気になって、意識が自分自身に向いているときでもあります。こういうときには、なかなか落ち着いて人の話が聞けません。
対処法
まずはそう感じている自分自身に気付くこと(自覚すること)です。
今話が聞けていないな、自分が相手からどう思われるかが気になっているんだなと自覚できることは、会話をしていて意識を相手に向けていける大きなきっかけになります。
意識を自分ではなくて相手に向けられると、必ず落ち着いて話が聞けるようになります。
「嫌われたくない!」と思っているときは、会話をしていて意識が相手ではなく、自分自身に向いています。要するに会話をしていて相手のことをあまり考えておらず、自分のことが気になっているときです。
普通の会話であれば、相手に関心を払って、そして自分のことを話してということが相互に行われるとお互い心地良いです。自分のことばかり話されると、聞くほうもそれにかなり強い興味がない限りは、聞くことがしんどく感じます。
会話をしていて、「今嫌われたくないと考えて、自分のことを気にしているな、相手のことにあまり関心が払えていないな。」と気付けれたら大きなチャンスです。
気付けなければどうにもできませんが、気付ければそれを変えていけれます。
そしてそんな風に人からの評価が強く気になるときには、自分自身に自信がないときが多いです。幼いときからの親とのかかわりが原因で自信が持てなくなっていることも。
自分に自信を付けるのは、自分が決めたことを実行していく等の方法はありますが、少し時間がかかります。
人に嫌われたくないと思って中々落ち着いて話が聞けないときには、上記のことに気を配ってみて下さい。
人との関わりがストレスになるのはしんどいです。でもそのしんどさを知っている人が、同じようなことで悩んでいる人の痛みをより繊細に感じ、汲み取っていくことができます。