傾聴とカウンセリングの違いの大きなポイントとして、カウンセリングは傾聴を含んでいます。
カウンセリングでは、傾聴+分析+問題解決のための情報提供や各種心理療法を使います。
カウンセリングってただ話を聴くだけでしょ?というイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、その通り傾聴しかしないカウンセラーもいます。傾聴しかしないカウンセラーであれば、傾聴とカウンセリングの違いはありません。
その他具体的な違いについて、詳細を解説します。
目的の違い
傾聴の主な目的としては、相手をより良く知ったり、相手と信頼関係を築いたり、しっかりとお話してもらってスッキリしてもらう事です。
そのため、相手の会話を相手の方が、思っていること、感じていることとして受け止めながら聴いていきます。傾聴は情報提供も、アドバイスもしません。
カウンセリングの主な目的は、相談者の心の問題解決のサポートです。
傾聴した上で、なぜその出来事がその方にとって悩みとなるのかを分析し、問題解決のために具体的にどうすれば良いかを考えてサポートします。そのため、各種心理療法も使いますし、問題解決のために必要な情報提供やアドバイスを行なうケースもあります。
得られる効果の違い
傾聴で得られる効果は、聞き手としては相手の情報や、相手と信頼関係を築ける事です。話し手としては、わかってもらえたという承認欲求が満たされたり、つらさや苦しみ等のマイナスの感情が浄化される効果もあります。
詳細:傾聴の効果
カウンセリングで得られる効果は、上記の傾聴の効果に加えて、今までの自分自身の生き方や考え方を見つめて、より良い生き方を見つけていくことが出来る点です。各種心理療法を使うと、傾聴では得られない心の深い部分で感じている事もわかります。
詳細:カウンセリングで得られる効果・メリット6つ
習得にかかる時間の違い
傾聴の方がカウンセリングよりも早く身に付けられます。
信頼関係を築けるレベルの傾聴を習得するには3~6ヶ月くらい、相談者に納得してもらえるカウンセリングスキルの習得には2年程度はかかります。
必要とする時間の違い
傾聴は非常に凡用性が高いため、様々な場面で手軽に使えます。家族との会話や、職場の人との関わりなど、30秒程度の関わりでも使えます。まとまった時間は必要ありません。
それに対してカウンセリングは、どうしても1回50分以上はかかります。様々な心の問題解決のためには、相談者の感情に触れる事が必要となるケースがほとんどですが、そのためにはどうしても時間がかかります。ケースによっては、60分のカウンセリングを週1ペースで10回以上行なう場合もあります。
傾聴の限界
しっかりとした傾聴を行うことで、話し手の方が自分でこれからの方向性を見つけられるケースもあります。
しかし相談者自身の生き方や、心の深い問題になると、傾聴だけでその問題解決のサポートをするのは不可能です。
まとめ
- カウンセリングは傾聴を含んでいる。
- 傾聴は汎用性が高く、短い期間で身に付けられる。
- カウンセリングは専門性が高く、身につけるのに時間を要する。
- 心の問題解決に関しては、傾聴だけでは限界がある。
以上、傾聴とカウンセリングの違いでした。参考になれば幸いです。