初めてプロの現場に出て傾聴した時の話

 2016年3月1日  

私が通っていた民間のカウンセラー養成スクールでは、傾聴スキルチェックの合格をもらうとプロの現場に研修生として入ることができました。プロ=提供する側として場に望む研修です。

実際にはカウンセリング講座のアシスタントとして研修に入ることが多かったんですね。まずはその時の出来事を紹介します。

姿勢・立ち方について

初めて講座のアシスタントに入り、教室で受講生を立って待っていました。その私の立ち姿を見て、プロの先輩から一言。

「まっすぐ立ちなさい。」

確かに私は休めの姿勢で、左足に重心を置いていてまっすぐ立ってはいなかったんですね。人前に立つ時は、ダラっと立っているよりは、ピシっと立っていたほうが見栄えも良く信頼されやすいのはもっともです。人前に立つ結婚式の司会の方などもダラっと立っている姿勢の悪い方はまずいません。

当時右も左もわからなかった私は、注意してもらえたことが有難かったです。それまでまっすぐ立つということをほとんどしなかったので、30分も立っていませんでしたが次の日には筋肉痛に。

受講生への声掛け

話しかけるのが怖い

アシスタントカウンセラーとして講座をサポートしていましたが、話しかけられるのを待つのではなく、講座開始前に早く来られている受講生にお声掛けしていました。受講生との関係性を築いたり、受講生の緊張をほぐす、受講生同士の繋がりを作るといった目的で話しかけていました。

講座開始30前から1人2人と来られ、5分前くらいには15人くらい来られることが多かったです。

正直話しかけるのが非常に怖かったです。受講生としてもアシスタントと話すために講座に来ているわけではないので、どんどん話をしてくれる人は、まずいないんですね。初めのうちは、10分も会話が続く事のほうがまれでした。

しかしその分「かかわっていく力」を養えた研修だったと感じています。受講生は会話するつもりはそんなに無いので、こちら側の質問のスキルが問われます。初めてお会いする方には、「こちらのスクールはどういったきっかけで知られたんですか?」や、「どちらから来られているんですか?」「受講されようと思ったきっかけはどんな事なんですか?」といった質問が鉄板になっていました。1人の方に前に聞いた同じ質問を2回してしまった事も多々ありましたが。

年配の受講生の方などは、当時若かった私に「あんたにサポートされる理由は無いですよ」という感じの態度を取られる方もいました。それでも回数を重ねて関わっていくうちに、次第に関係性が築けてくることも。

講座後のお声掛け

講座後にも受講生にお声掛けしていましたが、こちらは講座前に比べるとグンと楽でした。というのも、「受けられてみて(講座を)どうでしたか?」と聞くだけで様々なことを話してくれる方が多かったからです。

カウンセリング講座を受けると、自然と自分自身の内面や過去を振り返る事が多くなります。講座後にそういったお話をお伺いして、よりクリアな気持ちになって帰ってもらえるよう関わっていました。

突っ込んだ質問ができず涙

そんな形で講座のアシスタントを続けているうちに、先輩から「さらに切り込んだ質問でかかわっていきなさい」とアドバイスをもらったんですね。これはその人がそう考えるようになったきっかけや、つらい出来事をより詳しく聴いていく質の質問で、傾聴の枠を超えてカウンセリングの枠に差し掛かっています。

講座中、教室の後ろから受講生の背中を見て、ご自身のことをしっかりと振り返っていそうな人に講座後にお声掛けしていました。ただ、この切り込んだ質問をしていくには、質問する側もかなり勇気が入ります。それなりの苦しさやつらい出来事を聴く質問だからです。

ハッキリ言ってその質問をするために講座アシスタントに入っていた時期もあったのですが、その質問をするための一歩がなかなか踏み出せず、講座後の先輩カウンセラーとのミーティングでは悔し涙を流すことも多々ありました。

そんな私を見ていた先輩が、「井上くんを見てると、過去の自分を見ているようだよ。」と言いながら涙を流してくれていました。熱心に私を育ててくれた先輩に出会えて、とてもラッキーだったと感じています。

個人カウンセリングのアシスタントに指名される

講座のアシスタントに毎回継続して入っていると、受講生からも覚えてもらえ信頼関係がかかりやすくなってきました。講座後によく話す受講生がいたのですが、ある時その方の話を聴いているうちに、だんだん当時の私の手では負えない内容になってきたんですね。先輩からもそんな時は「個人カウンセリングにふりなさい」と言われていたので、講座後にある程度話を聴いたところでその方に個人カウンセリングをおすすめしたんですね。

当時そのスクールでは、クライアントの方がOKであれば個人カウンセリングにアシスタントが同席することもありました。その方は、カウンセラーを指名され、そしてその個人カウンセリングのアシスタントに私を指名して下さいました。指名は純粋に嬉しいです。

実際にアシスタントに入った時の記事
初めて個人カウンセリングのアシスタントに入った時の話

プロになってからの失敗

プロになってからの忘れられない失敗があります。

とある現役予備校で生徒さんの心のサポートの仕事をさせて頂いていた時の事です。そこでは専用の部屋で私が待っているのではなく、オープンスペース(共用スペース)で私がそこに来た生徒さんに話しかけることが多かったんですね。

ある時、センター試験がうまくいかなかった生徒さんがいて、その人と少し会話をしました。そして私が何らかの共感のことば(相手の気持ちを汲みとって伝えることば)をスキルとして伝えた時です。

「あっちに行ってよ!!」

と言われてしまいました。これは私の中に「試験がちょっとうまくいかなくてもどうということはないでしょ。」という思いがあり、その人自身の気持ちを汲み取れていないのにスキルの部分だけを出して共感の言葉を言ったことが原因です。気持ちを汲み切れていないのにもかかわらず気持ちを汲んだような言葉を伝えると、かえって「わかってもらっていない」ことがハッキリ伝わって癇に障ります。プロ1年目の絶対に忘れることが出来ない失敗です。

スポンサーリンク


無料傾聴EBook

カウンセリングに必要な傾聴力の具体的な内容、効果、トレーニング方法などを全49ページに渡って詳細に解説しています。是非、ダウンロードしてご活用下さい。

詳細を見てみる

傾聴EBook

動画で学びたい方向け


傾聴集中動画を見てみる

  • この記事を書いた人

井上 隆裕

心理カウンセラー、傾聴トレーナー、ジョイカウンセリングスクール代表。当スクールの心理講座、傾聴トレーニング、個人カウンセリングなどすべての部門を担当。

-体験記・コラム