要約のやり方と2つの効果

長時間話を聴いていると、「ちょっとごちゃっとしてきたな」と感じられる時があります。

傾聴における要約とは、そんな時に「今までの会話をまとめますと・・・。」という感じでそれまでの会話全体の大切な部分をまとめて話し手に伝える事です。

例えばある程度話を聴いた後、

「今日は普段の人との関わりについてご相談に来られ、特に会社では上司のAさんと、部下のCさんとのやりとりについて悩んでおられる。ご家庭では奥様にそれを話してもなかなかわかってもらえず、3ヶ月くらい前から睡眠も浅くなっているんですよね。そして次男さんが高校受験に差し掛かっているけれども、反抗期で会話が成り立たないということについても困っておられるんですよね。」

という感じで要約して返します。そしてすれ違いがないか確認した後、「特にどれが一番気にかかっておられますか?」とお伺いすることもあります。

実はこの要約は、かなり難易度が高いスキルです。というのも、話し手の気持ちを汲む「共感のことば」や、話し手が自由に答えられる「効果的な質問」は、聴き手側であらかじめ準備して備えておくことができるんですね。要約はその場その場で返していくしかありません。

まずはやり方を解説します。

要約のやり方

やり方は、「大事なポイントを返す」という点に尽きます。

取り組み始めは、「どこが大事なポイントか掴みにくい」と感じられる方がほとんどです。具体的には特に次のポイントに注意を払って傾聴するとよいです。

  • 特につらいと感じられている部分
  • 相手が頑張った事
  • これは大切にしているという事

始めに紹介した例で言うと、要約の大部分が「話し手が苦しんでいるポイント」です。

そして人は自分自身が頑張っている事をちゃんとわかってもらえるだけでは嬉しいものです。

例えば家事育児の大変さを旦那さんに話して、それを「大変だよね。何か僕に出来ることはある?」と受け止めてもらえるか、目も合わせずに聞き流される・やって当然という態度で接されるかでは大違いだと思います。

要約のトレーニング方法については、「オウム返しを10言われたら10そのまま返す勢いでやる」と私の場合はいつの間にか出来るようになっていました。きっちりとコピーして相手の言葉を返せるくらい集中して聴いていると、当然会話全体が見えてきます。話された事が抜けてない状態です。すると、どこが大切なのかも浮き上がってきます。

要約の効果2つ

1 整理がつく

きっちりと整理されている状態の写真

特に悩んでいると混乱している事も多いので、要約されるとそれだけで心の整理がつきます。

悩んでいる時を例えると、上の写真のように整理されている状態ではなく、ごちゃごちゃに混ざってどこに何があるのかわからない、大切なものや欲しいものがあるのかどうかもわからないような状態です。

的確に要約されると、どこに何があるのかスッキリとわかる状態になります。するとそれだけで今大切な事や、これからどうすべきかを話し手自身で気付ける場合もあります。

2 すれ違いが無くせる

要約した時に、もし間違っていればそこですれ違いを無くせます。すれ違いがあるまま会話が進んでいくと「わかってもらえている」に繋がりません。要約はこれをクリアにしていくことが出来ます。

まとめ

実は要約は傾聴において、「必ずしもやらないといけないもの」ではないんですね。使いどきとしては主に、「ちょっとごちゃっとしてきたな」と感じられた時や、話のまとめやカウンセリングの締め等です。

難易度の高いスキルですので、的確な要約が出来るということは傾聴のスキルがかなり高いともいえます。


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  • この記事を書いた人

井上 隆裕

心理カウンセラー、傾聴トレーナー、ジョイカウンセリングスクール代表。当スクールの心理講座、傾聴トレーニング、個人カウンセリングなどすべての部門を担当。

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