3分でわかる「傾聴とは」その意味と効果、方法|動画付きで解説

投稿日:2014年3月24日 更新日:

傾聴とは
傾聴とは、ただ受け身で話しを聞くわけではなく

  • 相手をしっかりと理解したい
  • 相手と良い関係を築きたい

という思いが具体的な形になった話の聞き方です。

アクティブリスニングとも言われており、積極的に関わります。普段何気なく行っている聴き方も含まれますが、そうでないスキルも含まれます。

元は来談者中心療法というアメリカの心理学者、カール・ロジャーズが提唱した聴き方で、今では世界中の心理カウンセラーが使っています。悩み相談だけでなく、様々なシチュエーションで使えます。

このページでは、傾聴の意味と効果(目的)、方法について解説します。

スポンサーリンク

傾聴の特徴

傾聴というと、まれに「何も言わずにじっと話を聞くだけでしょ。」というイメージをお持ちの方もおられます。確かに傾聴時はアドバイスをしたり、話を聞いてみての自分の考えや意見は伝えません。心構えをシンプルにお伝えすると、

話し手の方のお話を、そのまま受け止めながら聴くことです。

例えばもしお子さんに、

学校から帰る途中で寄り道して、変わった自動販売機を見つけた
と言われたら、

そう、学校から帰る途中で寄り道して、変わった自動販売機を見つけたのね。
と返す感じです。

話を聴いてすぐに「寄り道しちゃだめでしょ」と言うのでもなく、すぐに「どこにあったの?」と質問することとも違います。

傾聴では、基本的に話し手が話したいことを話したいように、感じたままに自由に話してもらいます。

それを聞き手が受け止めながら聴く事で、もっと話して良いんだなと感じてもらえたり、良い悪いといった評価をされない事で、素の自分を出しやすくなるメリットがあります。

当然ですが、ただ話しを聴いて欲しい時に「~してみたら?」や「~しちゃだめでしょ。」という感じでアドバイスや説教で返されると、それ以上話す気をなくします。

上記の場合の「どこにあったの?」という質問は、聴き手が聴きたい事であって、話し手がそのタイミングで話したいこととは、ずれている可能性もあります。

では、どんな風に傾聴すれば自由に話してもらいやすいのか、話し手に「受け止めてもらえた」と感じてもらえるのか、傾聴の方法を簡単に紹介します。

傾聴の方法

傾聴は、英語でいうとアクティブ・リスニングとも言われています。何も言わずに聴くのではなく、積極的に聴きます。ポイントはシンプルです。

傾聴とは、ただ黙って聞くのではなく、相手の表情、視線、姿勢、声のトーン、言葉の内容、呼吸に意識を集中して聴くことです。

実は集中力をかなり使う聴き方なので、フルで傾聴するとハッキリ言って聞き手は疲れます。始めて傾聴に取り組まれる方は、汗をかきながら相手に関わる事も多いです。

実際に傾聴している様子の動画

↓は、私が傾聴している様子です。カウンセリングの時の傾聴はこのような感じです。

ビジネスにおいての使い方

最も使用頻度が高いケースは、指示を受けた場合です。例えば

この書類会議で使うから、16時30分までにホチキス左上止めで、表紙だけカラーで30部刷って私のテーブルの上に置いといて。

と言われた場合、的確にオウム返しすると指示を出した側としても安心感があります。

何よりも指示のすれ違いがあると、大きな仕事のロスになってしまいますので、傾聴する事でそれを無くせます。

他には特に営業では「顧客が今困っている事、問題としている事、求めている事が具体的にどんな事なのか?」を傾聴でしっかりと聴けると、その分解決方法も具体的に提示でき、必要な人に必要な物やサービスを提供できます。

また、部下がミスした時はイラッとすると思いますが、すぐに怒るのではなく何か理由があったのではないかという相手を思いやる観点から質問・傾聴し、部下を理解しようとすると信頼関係を築きやすくなります。

看護においての使い方

看護においては、特に患者さんの精神面での不安を受け止めて関わると効果的です。

手術が不安なのであれば、「初めてだと怖いですよね」と気持ちを受け止めたあとで、「受けられた方はこんな感じで回復されてますので大丈夫ですよ」と伝えると、気持ちも和らぎます。
詳細:共感とは |カウンセラーが使う気持ちを汲む聴き方

とはいえ、業務が忙しく話を聞きたくても聞けない場合もあると思います。もし同じ話を何回も繰り返すような方がおられたら、ある意味受け取ってもらっていない・わかってもらえていないからこそ何度も繰り返して話しているケースが多いです。そんな時は、1度キッチリと言われたことをオウム返ししてみて下さい。「わかってもらえた」と感じてもらえるスキルです。

話しが長くて聴いていられない!という時は、長すぎる話を相手が不快に感じないように止める、区切る方法の記事をご参照下さい。

※「手術を受けるかどうか迷う」といった医療方針自体に患者さんが戸惑い持っているような場合は、傾聴するだけでなく判断材料を伝えるべきです。

カウンセリング時の傾聴の特徴

傾聴しないカウンセリングは無いといえるくらい、切っても切り離せません。

プロは傾聴を適切に使う事で、「この人になら話しても良いかも」と相手に感じてもらい、深い悩みを打ち明けてもらえる信頼関係を築いていきます。自分の事をしっかりとわかってくれている人がいるという安心感は、実はとても大きいです。

特にカウンセリングでは、他のシチュエーションと比較して受容の姿勢が欠かせません。

受容とは、言葉で表すと「相手の存在そのものを受け止める事」です。
詳細:受容とは|心理カウンセラーの基本的なかかわり方

カウンセリングには自己否定感の強い方が来られる事が多いですが、受容的な姿勢で関わられると自己肯定感が高まります。

カウンセリング中盤や後半はすべての傾聴技法を使うわけではなく、信頼関係が築けた後は問題解決のために必要な心理療法を提供します。

傾聴の効果5つ

主に次の効果があります。

  • 気持ちが楽になる、ストレスが解消される
  • 感情が明確になり、ポジティブになれる
  • 強い信頼関係を築ける
  • 承認欲求が満たされ、自己肯定感が高まる
  • 自分の状況を客観的に見れ、整理できる

詳細を解説します。

1 気持ちが楽になる、ストレスが解消される

傾聴されて安心した表情の女性写真

特にイラ立ちや不満感は溜め込むとうつにもつながりますが、言葉に出し、わかってもらえたり受け止めてもらえると、その気持ちが浄化される効果があります。

何らかの不安感や、寂しさ、苦しさ等も誰かにわかってもらえると気持ちが楽になります。自分自身の状況だけでなく、気持ちの部分もわかってもらえている人には信頼感も出てきます。

2 感情が明確になり、ポジティブになれる

傾聴の時は、聞き手が共感の言葉を伝えながら関わります。共感とは、相手の気持ちを汲み取って伝える事です。

例えば、

こないだ仕事に失敗して上司におまえはダメだなって言われた

と言われたら、

そんな事言われるとショックだよね。

という感じで相手の気持ちを汲み取る言葉を伝えながら関わります。

何となくモヤモヤする、落ち込む、という状態から、これに対して不安だったんだ、これに対して本当は腹を立てていたんだという自分の感情が明確になると、それだけでモヤが晴れる感じで、心の輪郭が明確になります。

さらに共感の効果として、その気持ちを出していいんだな、そういう気持ちを持っていてもいいんだなと感じられます。

感情は出して、受け止めてもらえばクリアになります。

特にマイナスの感情は日常生活では出しにくいものです。人間関係に摩擦を生む恐れもありますし、仕事に支障をきたしてしまう場合もあります。

世間的にもネガティブではなくポジティブに!というイメージが尊重される風潮がありますので、そうなると無意識のうちにネガティブな感情を持っていてはいけない、(例:誰かを憎んではいけない、腹を立ててはいけない)と思いやすいです。

つまり、ネガティブな自分はダメだという意識が、傾聴で

そう感じる事もあるよね

と共感されることで、ネガティブな感情を持っている自分自身でもいいんだなと感じてもらえます。その結果、元気を取り戻し、自然とポジティブになれる効果があります。

腹が立つ度にそんな自分はダメだと感じるのと、「人であればそう感じる時もある」と思えるのとでは、ストレスの感じ方も大きく変わります。傾聴で自分の感情が明確になり、それを受け止める事ができるとストレスに強い体質になります

3 強い信頼関係を築ける

特にカウンセリングにおいて傾聴する目的は、相談者と絶対的な信頼関係(ラポール)を築くことです。傾聴で信頼関係が築けると、次のメリットがあります。

  • より深い悩みを打ち明けてもらえる
    (悩みには言いやすいものと、打ち明けにくいものがあります)
  • 必要な情報やアドバイスを受け取ってもらえるようになる

傾聴時はアドバイスはしませんが、カウンセリング終盤ではアドバイスするケースもあります。

たとえ正しい事を言われても、自分の事をわかってもらえていない人からのアドバイスは納得できませんが、自分の事をしっかり理解してもらえていると、納得して受け取れます。

4 承認欲求が満たされ、自己肯定感が高まる

承認欲求とは、自分のことをわかって欲しい・認めて欲しいという誰もが持っている欲求です。

なぜ傾聴でこれが満たされるのかというと、わかってもらえたという感覚と、関わってもらえているという感覚が生み出せるためです。

傾聴では、聞き手は相手の目をしっかりと見て、話したいと思ってもらえる態度で関わっていきます。詳細:聞き手の姿勢について

「誰かに認めてもらいたい」(承認されたい)という欲求は、とても自然な人の欲求です。友人、知人、職場の人、家族から相手にしてもらえないよりは、笑顔で、目を見て挨拶されたり、自分の話を興味深く聴いてくれたほうが嬉しいですし、私自身そうされるともっと頑張ろうと思えます。

人は誰かに認めてもらうために無意識の内に様々な行動をとります。例えば職場で必要以上に頑張ったり、両親や友人の顔色を自分でも気付かないうちにうかがって相手に合わせすぎたり、明るく元気で笑顔を保ちすぎて疲れてしまうこともあります。

特に幼い子供は自分(自我)がまだ確立出来ていないので、親、保護者に認めてもらう、愛情を得るために退行(おねしょや赤ちゃん言葉を使う)したり問題行動を起こすケースもあります。

傾聴で承認欲求が満たされると上記のような問題がクリアになり、結果として自己肯定感も高まります。

自己肯定感とは、自分にOKを出せる感覚の事です。自己肯定感が高まるとシンプルに生きやすいですし、自分だけでなく他人も認められるようになり、人間関係が円滑になります。

傾聴されて笑顔になった女性の写真

5 自分の状況を客観的に見れ、整理できる

悩みや苦しさが強い時は、状況を冷静に見たり、適切な判断・選択をするのが難しくなります。心が落ち着かず、混乱しやすい状態です。

傾聴はある意味事実確認の会話で、まず状況をきっちりと整理しながら聞いていきます。

具体的に何に悩んでいて、どんな事が苦しいのか明確に明確にしていきます。傾聴されて自分自身の状況や感情が明確になり、整理されるとそれだけでスッキリできる効果があります。

悩んでいる状態が部屋に物がぐちゃぐちゃに散らかっている状態だとすると、傾聴された状態は部屋が整理されている状態のイメージです。

自分自身の事が客観的に見えると、これからどうしていくのがベストなのか、その答えや問題解決の新しい観点を、自分自身で掴めるケースもあります。

上記は「話し手」にとっての効果・メリットですが、「聴き手」にとっても傾聴トレーニングで得られる思いがけないメリットがあります。

まとめ

傾聴とは、話し手の方のお話を、そのまま受け止めながら聴くことです。

特に大切なのは、その聞き方で相手(話し手)がどう感じられたか?です。「わかってもらえた」と感じてもらえる聴き方、関わり方で、相手と信頼関係を築いていきます。

傾聴するだけで、話し手が自分の方向性や問題解決方法を自分で見つけられるの?

という疑問をお持ちの方もいらっしゃいますが、ケースバイケースでそうなる場合もあれば、そうならない場合ももちろんあります。心の問題解決に関しては、傾聴だけでは限界があるのも事実です。

話し手は、聞き手の関わり方・聞き方を見ながらどこまで話して良いのか?話せる人なのか?を無意識の内に見定めています。特に質問の仕方で会話の方向性は大きく変わり、会話の主導権は聞く側が握っています。

その他より詳しい内容は、

をご参照下さい。

スポンサーリンク


無料傾聴EBook

カウンセリングに必要な傾聴力の具体的な内容、効果、トレーニング方法などを全49ページに渡って詳細に解説しています。是非、ダウンロードしてご活用下さい。

詳細を見てみる

傾聴EBook

-知識