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傾聴トレーニングのコツ5つ

 2013年9月24日  


傾聴のトレーニングに取り組んで私が一番おもしろかったところは、正直に言うと、身近な人との関係が良くなったという点ではありません。

では、どんなところが一番おもしろかったのかというと、それは

自分自身がステップアップして、自分の傾聴レベルが少しづつ上がっていくことが目に見えてわかった。

というところです。

もちろん傾聴のスキルが上がることで身近な人との関係が良くなるのは間違いないのですが、自分が出来ることが拡がることで、より多くの人の役に立てる可能性が上がると、純粋に嬉しいものです。

この記事ではそんな自分の可能性が広がる傾聴トレーニングのコツを5つ紹介します。

1,ひとつずつ段階的に取り組む事

傾聴のスキルは大きく5つに分けられます。

  1. 傾聴する態度。
  2. うなずきとあいづち。
  3. オウム返し(繰り返すスキル)。
  4. 共感のことば(気持ちを汲み取る)。
  5. 効果的な質問。

の5つです。

コツは、この5つの扱い方にあります。

これらすべてを一気に漠然と「身につけよう!」とするのは、あまり効果的なトレーニング方法ではありません。

コツは5~10分の傾聴ロールプレイで、この5つの項目を「1つずつ」段階的に取り組んでいくということ。

そうするとどうなるかというと、「自分が傾聴出来るようになったポイント」が具体的に明確に感じられます。例えば

  • 話を聴くときに、安定して相手の方が安心出来る笑顔が出来るようになった
  • 黙って聴くのではなく、相手の方の会話の温度に合わせてうなずきやあいづちが出来るようになった
  • 的確に相手の方の気持ちを汲み取っていけるようになった
  • 状況を客観視出来る効果的な質問が出来るようになった

という感じです。

自分自身が出来るようになった」ところが際立つと、トレーニングが楽しくなります。これはハッキリ言って、やったからこそ得られる快感です。

傾聴のトレーニングに限らず、何か大きな目標に取り組むと、どうしても「まだ出来ていないところ」が目につきますが、そこばかりが目につくとモチベーションが落ちてきます。

もし皆さんが今何かに取り組んでおられたら、2週間前、1ヶ月前、3ヶ月前、1年前の自分自身と比べて、「出来るようになったところ」も意識してみて下さい。

出来るようになったところは、取り組んだからこそ出来るようになったこと。1つ1つ取り組んだ人だけが感じられる快感、達成感は、何物にも代えがたいものだと思います。

2,傾聴トレーニングで行う事を具体的にする

段階的に取り組みつつ、さらに傾聴トレーニングで意識するポイントも具体的にすると上達が早いです。

具体的に紹介します。当HPをご覧になっておられる方で、「キャリアカウンセラー」「キャリアコンサルタント」「産業カウンセラー」の資格取得を目指し、傾聴のトレーニングをされておられる方が少なからずおられます。

特にトレーニング生同士で傾聴のフィードバック(改善点のアドバイス)をしていると、きつい言い方、もしくはなんだかよくわからないフィードバックをされることもあるのではないでしょうか。

「もっと積極的に」 とか「表情が暗い」 などと言われても納得がいかなくて当然です。

では次回からは具体的にどうしたらいいか?

というところが見えないからです。

傾聴力を身に付けるためには、これを具体的にしていきます。

具体的にしていくためのポイント

まず、「改善するともっとよくなる」ポイントを具体的に、明確にします。いわゆる、「もう少し」だったポイントをはっきりとさせます。

例えば、「もっと積極的に!」と相手のトレーニング生から言われたのであれば、具体的に、ロールプレイの会話の特にどの部分で積極的に関わってもらえていないと相手が感じたのか?

そして、「積極的に関わってもらえてなかった」と感じられたポイントは何なのか?

  • 聴き手の声が小さいからそう感じられたのか、それとも
  • 聴き手の表情や姿勢からそう感じられたのか、それとも
  • 聴き手の気持ちの汲み取りが弱かったのか、それとも
  • 踏み込んだ質問をしてもらえず、もう一歩話せなかったのか、

とにかく明確に、具体的にしていきます。

そしてもし可能であれば、積極的にかかわってもらえなくて

「話していてどうだったのか?」

というところもロールプレイが終わった後に相手の方から聞いて、明確にしてみて下さい。

積極的にかかわってもらえなかったことで、多くを話そうとは思えなかったのか、寂しく感じられたのか等など。

というのも、傾聴をしていくときに最も大切なのは、聴き手が上手く傾聴技法が出来ていたかどうかではなく、

「相手の方がその聴き方でどう感じたのか?」

というところだからです。

改善すべきポイントを明確にするメリット

改善すべきポイントが明確になると、当然ですが

では具体的に、次回からどう聴けばよいか?どのポイントに気をつけるべきか?

が明確になります。

次の傾聴ロールプレイでは「積極的にかかわろう」という目標を持ってやるのと、「積極的にかかわってもらえていると感じてもらうために、声をもう少し大きめに相手に届けてかかわっていこう」という目標をもってやるのとでは、明確さが違う分、聴き手の行動が変わってきます。

次のトレーニング、ロールプレイではその明確になったポイント(例:.声をしっかりと相手に届ける)を気をつけて取り組み、相手の方に、その気をつけたポイントはどうだったのかを確認していけば、確実にステップアップしていきます。

実は、傾聴やカウンセリング自体が

「具体的に、明確にしていく」

会話でもあります。

話し手は今どんなことを問題だと思っていて、どんな状況で、どんな気持ちで、問題の本質は何で、どんな風になりたいと思っていて、問題解決のために具体的にどうしていけばよいのか。

具体的に、明確にしていくことの連続です。

ですので傾聴トレーニングをしていて、聴き手だけがトレーニングになるのではなく、話し手も具体的に改善点をフィードバックすることで、トレーニングになります。

そしてもしあなたが話し手で、聴き手に傾聴ロールプレイのフィードバックをするときは、できるだけ相手が受け取りやすいようにお伝えしてあげて下さい。

もっと気持ちを汲み取って!声を大きくしてかかわって!ではなく、

この部分の聴き方は、話していてこう感じた。こんな風に聴いてもらえると、このことも話そうと思える。ここをもっと聴いてもらえると気持ちがスッキリできた

という感じです。

相手が受け取りやすいように伝える力は、カウンセリングの終盤でも絶対不可欠ですし、普段の生活でも心がけることで円滑な人間関係を築けます。

3,「相手と良い関係を築きたい」と思ってスキルを使うこと

傾聴技法は、

「相手のことをしっかりと知る」

「相手と良い関係、信頼関係を築く」

ためのスキルです。

相手と価値観が合わなくても、その人が好き、嫌いを超えて信頼関係を築いていけるスキル

そのスキルが聴き手の行動として、実際に形になって現れているのが傾聴技法です。その技法だけを取り出して、大もとの「相手と良い関係を築きたい」というところが抜けてしまうと不自然な会話になります。

これは取り組んだばかりの人に比較的多いのですが、自分自身がどこでうなずきやあいづちを入れるか、大切な言葉を繰り返して相手に伝えるか、どんな質問をすればいいのか?ということに意識がいって、相手のことがおざなりになることがあります。

そうなると会話をしていて、あいづちがまったく無くなったり、相手が言った言葉を掴めてなかったり、相手が話したいポイントとは別のところを質問したり、噛み合わない会話になりやすいです。

4,傾聴のスキルを実践する回数を増やす

このホームページや傾聴の本に書いてあることを読むだけではスキルは身につきません。

知識はもちろん大事なのですが、野球に関する本を読んだだけでは野球が上手くできないのと同じです。傾聴技法の

  • 「相手の方が安心して話せる笑顔」や、
  • 「会話の温度にあったうなずき、あいづち」
  • 「大切なことばを繰り返して相手に伝えること(オウム返し)」
  • 「相手の気持ちを汲み取った言葉を伝える(共感のことば)」
  • 「効果的な質問をしていく」ことを

実践する。やってみる。」ことで初めて身についていくもの。

ロールプレイのトレーニングでも、実生活の中でも、実践する回数が多ければ多いほど、身につくスピードも早いです。

5,自分自身の心の体力を安定させること

傾聴技法を身につけていくことは、ある意味「できないことに取り組み続ける」ことでもあります。できないことに取り組み続けるのは、「今の自分自身を変えていく」ということでもあり、心の体力をかなり使います。

ですのでストレスが強かったり、何かに傷ついていたり、疲れすぎていたり、心が弱っているときには、まずそちらの回復が先です。誰でもそういう状態のときはありますし、それを感じられる繊細さが相手の気持ちを的確に汲み取れることにも繋がります。

上記のような状態のときには、傾聴技法を使って話を聴こうと思っても、会話をしていて意識が自分自身のことに向かいやすく、相手に集中して聴きにくいです。

まとめ

傾聴のトレーニングは、「うまくやれていない自分」を意識せざるを得ないので、いくら改善点を受け取りやすいように伝えられても自信を無くすときもあります。

もしトレーニングをしていて納得がいかないことがあれば明確にしていって下さい。そして落ち込んだり、ショックを受けたり、モチベーションが下がるときがあれば、

出来ないことに取り組み続けている

ご自身に誇りを持って下さい。相談者の方やクライアントの方も出来ないことに取り組んでいるからこそ、色んな悩みが出てきます。聴き手・カウンセラーが出来ないことに取り組む姿勢は、それだけであなたが今出会っている、そしてこれから出会う相談者の方やクライアントの方の勇気付けになります!

 

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