どうしても気持ちを汲めない(共感できない)時に心がける事2つ

 2013年5月31日  

傾聴の中で気持ちを汲む言葉を伝えることは、深い信頼関係を築く上でとても大切なことです。

気持ちの汲み方」のページで、スキルの詳細をお伝えしていますが、これは習得するのが得意な人もいれば、そうでない人もいます。

気持ちを汲むスキルとして、

  • 「腹が立ちますよね。」
  • 「寂しいですよね。」
  • 「不安になりますよね。」
  • 「悲しくなりますよね。」

などなど、聴き手は気持ちを汲み取る言葉を伝えながら聴きます。

これを伝える時に、どうしてもこれに「聴き手のココロ」がついていかないときがあります。 

気持ちを汲み取る言葉はなんとか伝えられるけれど、その言葉に「感情が乗っていかない」状態です。

はっきり言ってこれは逆効果です。

もしあなたがすごく寂しいときに、感情が乗っていない言葉で「さみしいよね」と言われたらカチンとくると思います。「全然わかってないだろう!!」と感じるのが自然です。

スキルの形としては気持ちを汲み取る言葉を伝えられても、どうしてその言葉に感情、言葉の温度が乗っていかない時があります。

気持ちを汲み切れない2つの理由

理由は大きく分けると2つあります。

1つは聴き手が、「相手と良い関係を築きたい」と思わず、自分のスキル習得のことしか考えていないとき。

これは聴き手がしっかりと本意を取り戻すだけでカバーできます。

2つ目は、聴き手自身がその汲み取った感情(悔しさ、不安、寂しさなどなど)がどういうものか掴めていない、無意識のうちにその感情を感じないようにしている、普段その感情にブレーキをかけているときです。聴き手自身が色んな感情を普段感じられていないと、それをリアリティを持って汲み取れません。

実はブレーキがかかっている、感じないようにしている感情があると、うつ状態にもなりやすいです。

感情と「うつ」の関係性

普段無意識のうちに感じないようにしている、ブレーキがかかっている感情があると、なぜうつ状態になりやすいのか。

人はまともに感じていると、あまりにもしんどい、苦しいことがあると無意識のうちに感情を止めます。あまり感じないようにして自分を守るわけです。ストレスが強いと味覚や聴覚、嗅覚が弱くなることがあるのはそのためです。

現代社会では、時に自分の感情を止めることも必要だと思いますし、ありのままを感じて過ごしていたら家庭内や職場がうまくまわっていかないこともあります。

ですのである程度感情を感じないようにして過ごすのは自然なこととも思います。

しかし、聴き手・カウンセラー自身にそういった感じないようにしている感情があると、話し手が同じような感情を溜めて苦しんでいる場合、それを汲み取れません。汲み取れないので、話し手も「わかってもらえている」という感覚が持てずスッキリ出来ません。

気持ちを的確に汲み取るために必要なこと

もし「相手の気持ちをしっかりと汲み取れる聴き手になりたい」と思われるのであれば、まず自分自身のマイナスの感情に繊細になることが必要になってきます。なぜかというと、自分のマイナスの感情に繊細であればあるほど、相手のマイナスの感情を繊細に感じ取ることが出来るからです。

自分のマイナスの感情に繊細になる方法

やり方は非常に簡単です。具体的には、普段の生活の中で自分自身のマイナスの感情が湧いてきた時にそれをチェックするだけです。

  1. どんな状況で
  2. 誰からの言葉で
  3. どんな内容の言葉で
  4. どう感じたのか

といった内容を、日付を含めてメモしておくと良いです。2番目と3番目の「言葉」は無くともマイナスの感情が湧いてくる時もあります。

マイナスの感情が湧いたのであれば、どんな状況でもOKです。「道を歩いていたら車がスレスレをすごいスピードで走っていって、怒鳴ろうかと思うくらい腹が立った」といったイメージです。

これをやれば、確実に自分のマイナスの感情に繊細になることができ、共感の言葉もしっかりと相手の気持ちを汲み取りながら伝えられるようになります。

注意点

自分自身のマイナスの感情に繊細になると、当然のことながら繊細でないときよりも感じることが増えるので、腹が立ったり不安になったりすることが増えたように感じられます。しかしマイナスの感情に繊細になると、そのストレスがどのくらい溜まっているか自分で見えるため、自分でマネジメントしていくことができます。

自分自身のマイナスの感情、ストレスの溜まり具合が自分で掴めると、そろそろ爆発しないうちに何かで発散させておこう、この問題に対して今のうちになんとか対応策を考えたほうがいい等、自分自身でストレスをマネジメントしていくことができます。人の心のメンテナンスの前に、聴き手自身の心のメンテナンスが大切です。

特定の感情で過去のトラウマが出てくることも

例えば、「怒り」や、「憎しみ」などの相手の感情を汲み取ろうとすると、自分の中の同じような気持ちが湧き上がってきて話が聞けなくなる時があります。

これは、聴き手自身の過去の抑えてきた感情とリンクしてくるからなんですね。心も不安定になります。その感情と向き合えるようであれば、聴き手自身が1度カウンセリングを受けてそれをクリアにしていく必要があります。他人のケアよりもまずはご自身の心のケアが大切です。

今はその感情と向き合うのが難しいようであれば、傾聴トレーニングは一旦少しお休みしたほうがよいかもしれません。そんな時にトレーニングしても辛いだけです。早く咲いた花が必ずしもきれいではないのと同じように、早く出来ることがすばらしい訳ではありません。

まとめ

気持ちを汲み切れないときはとても歯がゆいものです。

しかしそこをきっかけにして、相手の感情を繊細に汲む力を上げることが、自分自身の感情に繊細になることにつながります。そしてそれは、聴き手自身のストレスマネジメント力が上がるというメリットを与えてくれます。

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  • この記事を書いた人

井上 隆裕

心理カウンセラー、傾聴トレーナー、ジョイカウンセリングスクール代表。当スクールの心理講座、傾聴トレーニング、個人カウンセリングなどすべての部門を担当。

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