誰しも自分の将来のことや、仕事のこと、家族のこと等が心配になることはあると思います。
「本当に大丈夫だろうか?」と不安になり、頭にこびりついて離れないときは、とても苦しいものです。
そんなときは集中力・やる気も下がり、必要最低限の事をするので精一杯。何をやっても楽しく感じられず、食欲もグンと落ちます。
何十年と生きているうちに、誰しも自分自身が1回はそんな状態になったり、そんな状態になっている周りの人を見たことがあるのではないでしょうか?私自身も学生のときに将来があまりに不安で、ただ生きているだけで苦しかったことがあります。
今回は、「あのことが心配だ・・」「不安だ・・」と囚われて仕方がないときに効果的な心配性・取り越し苦労を克服する方法を2つ紹介します。
心配で仕方がなくなる理由とは
将来のことが心配になったり不安に感じたりすることは、生きていく防衛反応として誰しも当然あることです。
しかし、心配性の人はこれが一時的なものではなく、2週間、1ヶ月とずっと続いたり不安に感じている期間が長く、この先、一生この不安が続くのではないか?無くならないのではないか?とますます不安になったりします。
ではなぜ、数時間・数日で不安感か治まる人、そうでなくそれが長続きする人に別れるのでしょうか?
まず、心配性にはまりやすい原因を2つ紹介します。
1 ストレスが強いとき
ストレスが強いときには、不安を強く感じやすくなります。例えば新しい職場・部署になった、新しい学年に上がった、恋人や親しい人・愛するペットと別れることになった時・・・。
そんな時は、誰しもストレスを感じるものです。先のことが心配で何も手につかなくなったり、不安になりやすい時。
大事なことは「自分が今どれくらいストレスを感じているのか?」をしっかりと把握しておくことです。それが把握できていれば、ストレスをマネジメントしていくことが出来ます。どのくらいストレスを感じているのかを把握できていないと、ストレスの泥沼にハマりかねず、長く不安感が続くことになりかねません。
2 心配事、不安感が嫌で嫌でたまらない事
自分の将来や子供の事が気になり、心配で心配で仕方がないときの気持ちは、たまらなく嫌なものです。
だからその心配な気持ちや不安感を、排除しよう排除しよう、感じないようにしようとすると、心理学的にはその気持は実は余計にクローズアップされて、さらにどんどん大きくなる心の仕組みがあります。
これは単純に「心配してはいけない」「不安に感じるのは嫌だから、感じないようにしたい」と思うと、脳の中ではその「心配感」や「不安」が余計にクローズアップされます。結果さらに不快な反応に意識が向くという悪循環が起こります。
日本が世界に誇る心理療法の1つ、森田療法では、これを精神交互作用と呼んでいます。
ではこれをクリアにし、心配性にハマらないためにはどうすればよいのか、次から具体的な心配性の克服方法を紹介します。
嫌な感情を言語化して意識する
心配性で嫌な気持ちが抜け切らないのは、実はその気持ちを自分の中でしっかりと感じておらず、消化していないからです。不安であれ、あせりであれ、感じるのは嫌なものです。しかし感じないようにしようとするとその気持ちに逆に意識がいき、どんどん大きくなってきます。
人が感じるのは嬉しい楽しいといったプラスの感情だけではなく、時には悲しい、寂しい、不安といったマイナスの気持ちも湧いてくるのが自然です。マイナスの気持ちを感じないように意識したり排除するのではなく、自分でその気持をしっかりと受け止めてやれば必ずその気持ちは消化されていきます。しかし受け止めるといっても、「何かモヤモヤする」「何か落ち着かない」といった言葉になっていない心の状態は、心にモヤがかかっているようなもので受け止めようがありません。
そのためには、具体的にどんなことが心配で、自分自身はどんな気持ちなのか明確な言葉にすることが大切です。これは1人ではやりにくいときもあります。受け止めて話しを聴いてくれる人に、自分自身の状況を話していると、だんだんそのときに自分自身が感じている気持ちも浮かび上がってきます。
しかし友人に何度もそういったことを話すと、嫌われて友人を無くしてしまうのではないか?と思われるかもしれません。心配性を克服できるもう1つの別の方法を次に紹介します。
心配しながら、不安に感じながら「今」行動できることを見つけて行動する
子供の将来が心配なのであれば、そのために自分自身が「今」やれることをみつけて行動していく。
健康について不安に感じることがあるのであれば、具体的に「今」やれることを探して行動する。
プレゼンが不安なのであれば、そのために「今」やれることを実際に行う。
ポイントは、不安を感じながら行動するというところです。行動しているうちに、この不安感は軽くなったり消えていきます。
不安に感じるから、嫌な気持ちになるから何もしないという気分本位でいると、その嫌な気持ちは続きやすいです。
不安感は、自分を守る大切な感情ですが、子供が元気でしあわせに育ってくれたり、将来安心して生活できたりというなんらかの本来の目的があるからこそ、何かが心配になったり不安になったりします。その本来の自分自身の目的に沿った行動を起こしているうちに、心配な思いや不安感は必ず軽くなります。
まとめ
何かが心配になったり、不安になるということは、自分自身にとって大切なことだからこそだと思います。心配や不安を感じながら大切なことのために行動していくことで、心の状態は必ず変わっていきます。
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