心が楽になる自己開示の方法

 2014年4月9日  


自分自身の苦しい、つらい体験談を話して、相手の負担にならないだろうか?

と感じられたことはないでしょうか?

自分の苦しい体験を話せたり、相手の方にわかってもらえるとそれだけで話し手の心も楽になります。

今回は、聴き手が負担になるどころか、楽になってもらえる、癒やされたと感じてもらえる、そして話したほうも心が楽になる自己開示の方法を紹介します。

自己開示とは

カウンセリングにおいての自己開示とは、聴き手自身の過去の苦しかった、つらい体験を相手に伝えることです。カウンセラー自身もカウンセリングの中で、意図的に相談者に対して自己開示をするときもあります。

例えば私井上自身の自己開示をします。

私自身20代のころ、人の意見を素直に受け入れたり、人の良いところを見つけて伝えたり、「人を認める」ということがとても苦手でした。特に年配の人には「見本としていて欲しい」という思いもあり、認めるのが苦手でした。

そうなると当然職場での、年配の人との関係はおもわしくないものになります。そして一番訳の分からない苦しみだったのは、「自分自身」のことを「認めてはいけない」と思っていたことです。正確に言うと、そのときは、「認めてはいけない」と思っているということにさえ自分自身で気付いてはいませんでした。自分のことを「認めてはいけない」と無意識のうちに思い続けていると、訳の分からない不安感も湧いてきます。

なぜ「認めてはいけない」という価値観を気づかないうちに持っていたのかというと、理由があります。

私の両親は、私を愛して育ててくれたと感じています。しかし気付いてみると、「よくやった」「よくがんばったな」など、両親から思い切り褒められた記憶はありません。

特に印象に残っていることは、中学2年のテストで高得点をとり、それを親に見せたときのこと。

「それで満足なんか!」

と言われたことです。誰よりも両親に褒めて欲しかったのですが、中学2年でそんな素直な気持ちを伝える術もありません。下を向きながら「満足だ」と言ったことをしっかりと覚えています。

これを読まれて、もし

「自分だけじゃなかったんだ」

と感じてもらえたら、これは効果的な自己開示です。

自分の過去の苦しい、つらい体験で、相手の方が楽になってもらえるということは、自己開示をする側としても「あの体験は無駄じゃなかったんだ」「あの体験が役に立ったんだ」と感じられ、自分自身を肯定出来ることに繋がります。

自分の過去の苦しい、つらい体験談をしても、聴いた人が「癒やされた」と感じられる自己開示には、たった1つのポイントがあります。

効果的な自己開示のポイント

聴いた人が癒やされる自己開示のポイントは、たった1つです。それは、

「自分と同じようなつらさ、苦しさを感じている人」に伝えることです。

例えば子育てで自分が感じている悩みは、同じような子育てをされている方に、
人間関係で悩んでいるときは、同じような人間関係で悩んでいる人に、
目標達成で悩んでいるときは、同じような境遇の人にそれを伝えると

それで悩んでいたのは私だけじゃなかったんだ」と感じてもらえ、聴いた側も気持ちが楽になります。グループカウンセリングや、禁酒をしている人同士の集まりで、同じような悩みを持っている人の話を聴いて心が楽になるのと同じ原理です。

自己開示は自分自身の苦しい、つらい体験を話すことです。
しかし、自分のつらい体験はどうしても人に話せないときがあります。

自己開示出来ないときに心がけること

受け止めてくれそうな人に話す

1つ目は、自己開示した話を出来るだけ受け止めてくれそうな人に話すことです。苦しい体験を話した結果、「それはあなたがこうしなかったから」とか「こうすればよかったのに」といった説教やアドバイスをしそうな人に自己開示しても、話した側が余計に傷つくだけです。

無理に自己開示しない

2つ目は、出来そうにないのであれば無理に自己開示しないことです。
つらい体験は話すと楽になります。しかしそれを話すということは、ある意味そのときのことを思い出すことでもあります。苦しい体験は、それが苦しければ苦しいほど、誰にでも話せる訳ではありません。

そして、それが話せる時期というのは、自分自身が無意識のうちに「過去の経験を心の中で整理して、次のステップに進みたい」と感じられている時期でもあります。心には休みが必要なときと、次のステップに進めるときがあります。話せないときに無理に自己開示すべきではありません。別の方法で心が楽になることを心がけるべきです。

まとめ

「私だけじゃなかったんだ」 と実感出来ることは、本当に心が楽になります。

自分自身のつらい体験が、同じような経験をしている誰かの役に立てることは、とても尊いことだと思います。

自分のつらい、苦しい体験を話す自己開示は、話すことで話し手自身が癒されるものでもありますが、とても勇気が必要なことです。ご自身の心の状態や、話す相手を見ながらやれる時にやっていってみて下さい。

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  • この記事を書いた人

井上 隆裕

心理カウンセラー、傾聴トレーナー、ジョイカウンセリングスクール代表。当スクールの心理講座、傾聴トレーニング、個人カウンセリングなどすべての部門を担当。

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